香油(Attar)

肌に落とされた一滴が、静かに熱を帯びてゆく。
やがてその熱は、香りとなって揺れはじめる。
言葉にならなかった感情や、眠っていた記憶のかけらが、
香りに溶けて、そっと立ちのぼっていく。

それが、Attar(アッタル)と呼ばれる香油です。

アルコールを一滴も含まない、純粋な香のオイル。
古くはインドやアラビアで、祈りや瞑想の前に使われてきたもので、香りを“まとう”のではなく、“染み込ませる”ための香水とも言われます。

Mirʾāt al-Dukhānでは、ケララ・ムナールの山地で採れた
世界最高級のサンダルウッドオイルを軸に、
深く静かに広がる香りのAttarを扱っています。

Sandalwood No.1 — Marayoor

白く澄んだ森の木肌のように、穏やかで温かな香り。
香りそのものが呼吸のように、内側に染み込んでいきます。

Brown Oud No.1 — India

土を抱く木、時を含んだ煙。
しっとりとした重さの中に、落ち着いた熱を宿します。

Black Oud No.1 — India

夜の奥に沈むような、濃密で神秘的な香り。
闇のなかで目を閉じたとき、感覚だけが研ぎ澄まされていくような余韻。

Attarは、他人に見せるものではありません。
それは、あなただけが知っている時間、あなただけの静けさのための香りです。

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